2011年7月26日に急逝したレイハラカミの代表作にして事実上のラストアルバム。2005年にオリジナル作の4枚目として、充分な制作期間を経て、満を持して彼の世界を表現した「京都な」アートワークをセットされて「LUST」は、納品された。結果としてニュー・アルバムとして制作されたのはこれが最後で、その後の作品は編集盤の性格が強いものから死後にリリースされたものなので、アルバムとして首尾一貫、アーティストの意思で統一されているのは本作。しかし、運命は無情なのか、それとも天才として遺されたのか、歴史的名盤がレイハラカミをして音楽史に永遠の生命を賜えた。よくアーティストに見られる「残念な晩年」は絶対にない。完全無比な作品を以ってその歴史を閉じた名盤である。